【新生児の睡眠】赤ちゃんの睡眠時間と睡眠リズム

前回は赤ちゃんの夜泣きをテーマにお話しましたが、今回は赤ちゃんの睡眠について詳しく解説します。


赤ちゃんは1日にどのくらい眠るの?


新生児は1日の大半を眠っていますが、その睡眠時間は低出生体重児や早産児ほど多く、生後日齢が増すほど覚醒時間が多くなってきます。

出生後数日間の新生児の睡眠時間は1日の2/3である16時間を超えますが、退院する頃には約14時間程度に減少します。

  • 新生児(〜生後1ヶ月):15〜20時間
  • 乳児(〜1歳):16〜20時間
  • 幼児(〜6歳):12〜13時間
  • 学童(〜12歳):10〜12時間
  • 成人:7〜8時間

新生児は1回の睡眠時間が短く、1日に何度も睡眠と覚醒を繰り返します。
生後3ヶ月頃より1日24時間のリズムに慣れ、昼間に覚醒し夜に睡眠するという昼夜周期が定まります。

赤ちゃんの睡眠の質は?


我々人間の睡眠にはREM睡眠non  REM睡眠の2つのパターンがあり、これは赤ちゃんも同じです。

REM睡眠:身体は眠っているが、脳は活動している時。脳の代謝や脳への血流が増加するため、脳の発達に影響する。
non REM睡眠:脳も身体も眠っている時。夢を見ない。

このREM睡眠とnon REM睡眠は、在胎21週頃の胎児期から発生し、REM睡眠は未熟児ほど多くなっています。そして在胎30週頃より赤ちゃんの覚醒時期が増えてきます。
出生直後の新生児のREM睡眠の割合は約50%ですが、徐々にREM睡眠が減少すると共に睡眠時間も減少していきます。


赤ちゃんの睡眠リズムは?


新生児の睡眠リズムは日内変動に連動しており、メラトニンの濃度の変化に対応しています。
メラトニンは主に光刺激が目の網膜から入った際に合成されるのですが、夜間に高く、昼間に低くなる傾向にあります。
このメラトニンは母乳中にも含まれているため、母乳栄養児は夜間のメラトニン濃度が人工乳の赤ちゃんよりも高くなっており、より睡眠リズムが作りやすいと考えられています。
赤ちゃんが生後3ヶ月頃になると、メラトニンの産生リズムが確立してくるため、赤ちゃんの睡眠パターンが安定してきます。


赤ちゃんにとって睡眠は大切!


赤ちゃんの睡眠は大人の睡眠リズムとは異なるため、子育て中の親御さんは、入眠のタイミングや生活リズムが乱れてしまいます。
そのため大人の睡眠パターンに合わせようと調整してしまう人がいます。
しかし、赤ちゃんの睡眠時間は、成長と発達には欠かせないとても大切な時間です。
睡眠中には「成長ホルモン」が沢山分泌されるため、赤ちゃんの睡眠不足が続くと発達に悪影響を及ぼします。

極力赤ちゃんの睡眠時間を優先し、赤ちゃんが質の良い睡眠をとれるよう、環境や生活リズムの工夫をしましょう。



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