新生児期の記憶について(赤ちゃんに記憶力はあるの?)



自分がまだ0歳だった頃のことを覚えていますか?
おそらく大半の人が覚えていないと思います。

しかし、赤ちゃんにも「記憶力」はあるのです。
日本心理学会によると、生後3ヶ月で1週間、生後4ヶ月で2週間の記憶が保持されるそうです。



長期的な「記憶」としては残りませんが、その瞬間瞬間の出来事に向き合っているのが「赤ちゃん」なのです。そして瞬間の積み重ねが1日となり1ヶ月となり、あっという間に新生児期は過ぎていきます。

ごく稀に、新生児期のことを覚えている子供に遭遇することがあります。

「ママのおっぱいを吸ってると、ママが怒ってるから怖かった」
「無理やり、哺乳瓶を口の中に入れられて嫌だった」
「いつもオルゴールがなっていた」

これらの発言は、よく耳にします。
(実は私も、子供の頃に姉が無理やり哺乳瓶を口にいれてきたのが怖かった記憶が残っています)

どうせなら、良い記憶を残したいですよね。
しかしそう綺麗事で終わらないのが母乳育児なのです。
母親は不眠不休で母乳を与え続けるわけですから、ストレスや疲労が蓄積します。
そして思い通りにいかない育児にイライラしてしまい、つい怒ったり、ため息をついたり、自責の念に駆られたりすることもあるでしょう。それが普通です。
お母さんは、誰よりも近く赤ちゃんの側にいれくれたらそれで良いのです。

この新生児期は、赤ちゃんが唯一お母さんを1人占めできる貴重な時期です。
思う存分にお母さんを振り回して困らせることができるのも、今だけです。

子供は確実に成長しているので、いつかおっぱいを飲まなくなる日がきます。
おむつをはかなくなる日がきて、自分の足で歩き始める日がきます。
あんなに抱っこをしないと怒っていた子供が、親の抱っこを嫌がる日がくるのです。

今、赤ちゃんは一生懸命泣いたり叫んだりしながら、お母さんに何かしらのサインをおくっています。
赤ちゃんにとっては、この時期の記憶がなくなってしまうかもしれませんが、お母さんはこの先もずっと我が子の新生児期のことは覚えているはずです。
「大変だった」「苦労した」それでも成長していく子供に向き合ったご自身のことを、自分自身は決して忘れないことでしょう。

あっという間に通り過ぎる新生児期が、後々良い思い出に変わる日がくることを心から願っております。


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