なぜ母乳育児がうまくいかないのか



"トラブルなくスムーズに母乳育児ができている人のが少ない"

これは私が新人の頃から感じていたことです。


母乳についての知識が乏しかった頃の私は、全ての赤ん坊が問題なくおっばいを飲んで、満足して眠るものだと思っていました。
しかし現実はそううまくはいきません。

大半のお母さんが、お産のあとに母乳が想像以上にでないことに焦ります。
そもそも初めての所作に不安を抱くため、小さな赤ちゃんを安心・安楽に抱っこすることができません。
故に産後直後から、授乳の正しいやり方をマスターしている母親なんていません。


赤ちゃんも同様に、おっぱいを吸うのか初めてのことなので、上手に吸啜することができません。なかにはかんしゃくを起こして授乳のたびに泣き叫ぶ赤ちゃんもいます。

赤ちゃんは言葉を話せないので、何故泣いているのか母親には分かりません。
良かれと思って乳を与えても、ヒステリーのように泣き叫ぶ我が子に困惑してしまうお母さんは多いです。

では何故スムーズに母乳育児が確立されないのでしょうか。

主な原因として、このようなことが考えられます。

①授乳中の抱き方
②くわえさせるタイミング
③乳頭の形とやわらかさ
④哺乳瓶に慣れてしまった
⑤乳腺炎
⑥お母さんの授乳回数・授乳時間の影響
⑦赤ちゃんの舌や唇の使い方
⑧母乳分泌量の低下
⑨赤ちゃんの健康状態や機嫌
⑩お母さんの精神状態   など

これらの悩みは早ければ早いほど、改善・修復もスムーズにいきます。

抱き方やくわえかたひとつにしても、間違ったやり方を継続させていると、母乳分泌の低下や乳腺炎などのトラブルにつながってしまいます。一度乳腺炎になってしまうと、高熱・乳房の激痛・授乳困難・乳汁に膿が混じる といった身体的苦痛をともなってしまいます。

だからこそ『おかしい』『不安』『心配』と思うことがあれば、早めに対策をとる必要があるのです。

特に『乳頭混乱』といって、赤ちゃんがおっぱいを飲むのを嫌がり、全く吸ってくれなくなってしまったら要注意です。
根気強くトレーニングしていく必要があるからです。

いまはまだ慣れない母乳育児に戸惑いを抱いてしまうのは、ある意味当然のことでもあります。
赤ちゃんとお母さんの息が合った授乳ができるようになる為には、何度も何度も練習を重ねていく必要があるのです。

今はその準備期間です

焦らず、ゆっくりと、赤ちゃんとお母さんのペースでオリジナルの授乳方法を見つけていけたらいいですね。

もしお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。


港助産院 城野

東京マタニティスクール