【出産】赤ちゃんが生まれてくる時



今日は、前回お伝えした分娩の4要素のうちの「胎児」「産道」についてお話します。

出産の時、頑張っているのはお母さんだけではありません。
痛くて辛い身体的ストレスを受け、経験したことのない体験をするのは、赤ちゃんも同じです。

出産は赤ちゃんにとっても命がけの体験となります。

まず、お母さんの狭い骨盤の中を通ってこないといけません。
赤ちゃんの通り道、すなわち産道は赤ちゃんの頭蓋骨が通るぎりぎりの広さです。
故に何もせずに普通に通ってくることはできません。

【頭蓋骨をずらす】

狭い産道を通過するために、赤ちゃんは自分自身の頭蓋骨をずらしながら下降してきます。

【骨盤の形に合わせて体勢を変える】
赤ちゃんは、骨盤の形状に合わせて身体をくるくると動かしながら下降してきます。このことを『回旋』といいますが、全ての赤ちゃんはこの『回旋』を正しく行わない限り、スムーズに骨盤内を通過することができないのです。
間違った方向に回旋したり、顔の角度がずれたりすると、身体が骨盤に引っかかってしまうため前に進むことができません。


このように赤ちゃんは全身をつかって生まれてきます。
あんなに小さな体で、陣痛というストレスを受けながらも一生懸命に前へと進むのです。
そのため、生まれたばかりの新生児のほとんどの頭は細長くのびています。

『うちの子の頭の形、変じゃないですか?』
『なんでこんなに頭がとがっているのですか?』

とよく聞かれますが、それは赤ちゃんが頑張ってきたサインです。
頭が圧迫されることで、皮膚の下にむくみが生じているのです(産瘤)。
また頭の骨の一部に強い摩擦が加わることで、出血が生じている場合もあります(頭血腫)。

赤ちゃんも命がけでお母さんの産道を通ってくるのですね。

ではそのような赤ちゃんをサポートする為に、お母さんにできることはあるのでしょうか。

実は、この過程をサポートする為に、お母さんが妊娠中からできることは沢山あるのです。

①体重コントロール
②骨盤ケア(骨盤輪支持)
③筋力・体力づくり
④逆子体操   など

これらはお産の時だけではなく、産後の腰痛や恥骨痛、臀部痛等の不快症状の改善にも役立ちます。


お産に向けてご自身の体に目を向け、安産にむけたカラダづくりに取り組むことはとても大切です。
妊婦さん自身が骨盤ケアを行い、自らの生む力を育んでいくために、できることから始めていきましょう。東京マタニティスクールはそのサポートをしていきます。


妊婦さんの日々の行動は、全て赤ちゃんにつながっています。
その意識を忘れずに妊娠生活を楽しんでいけたらいいですね。


港助産院 城野

東京マタニティスクール