沐浴の正しいやり方について〜後編〜


前回(前編)、誤った方法で沐浴を続けることで生じる問題点をお伝えしました。
今回は、実際に沐浴を行う際の大切なポイントとコツ、手順を説明します。

退院後、赤ちゃんを誰がどこで何を使ってどのように行うのか決めておきましょう。


誰が沐浴をするの?


腕力があって手の大きなパパがおすすめです。




3kg以上の赤ちゃんを片手で5〜7分ほど支え続けるのは、腕と腰に負担がかかります。
産後のお母さんは本調子ではなく、関節の節々に痛みを抱いています。そのうえ授乳や抱っこを一日中しているため、手首や腕に負担がかかっています(腱鞘炎になる人もいます)。
よって沐浴はご主人や身内などのサポーターに手伝ってもらいましょう。


〜POINT〜


・出勤前や帰宅後、たった10分間の隙間時間を有効活用しましょう。
・腰痛もちや手指に怪我がある人は無理をしないでください。
・爪は短く切り、清潔な手で沐浴をしましょう。指輪や時計は外します。

どこで沐浴をするの?

風呂場やキッチン、居間のテーブルの上、洗面台等、各ご家庭の状況によって異なります。


ベビーバスとキッチン・洗面台のサイズが合っているか事前に確認をしておきましょう。
床上にベビーバスを置いて沐浴をされている人がいますが、腰に負担がかかるためおすすめしません。
また暖房が届かない寒い場所での沐浴は、赤ちゃんの体が冷えるので避けましょう。


〜POINT〜

・ある程度スペースがあって、室温調整ができ、お湯がすぐに使える場所。
・作業がしやすくて実施者の体に負担のかからないスペースや高さを確保しましょう。

沐浴には何が必要

自宅の構造を考慮して購入しましょう。


・ベビーバス(レンタルも有り。ない場合は大きめのベースンやボックスで代用可。)
・沐浴布(体をつつめるサイズの大きめの布。薄くて軽いもの。)
・ベビーソープ(固形石鹸よりポンプ式が使いやすい。)
・ガーゼ(顔や髪を洗う時にあると便利。)
・沐浴後の着替えとタオル(すぐ着替えられるように広げておく。)


〜POINT〜

・石鹸は低刺激性のベビー専用の物をお使いください。
・感染予防のため、清潔なベビーバスをご利用下さい。
・ベビーパウダーやローションによる皮膚トラブルや呼吸障害も報告されている為、使用者は注意しながら正しく使いましょう。

沐浴の方法は?

あくまでも一例です。手順にこだわる必要はありません。


①赤ちゃんを裸にし、沐浴布でつつみこむ。

②利き手と反対側の手で赤ちゃんの後ろ首〜頭を固定し、湯の中にゆっくりと足から入れる。

③利き手で泡立てた石けんの泡を持ち、体を洗っていく。

【目】
ガーゼを清潔な湯でしめらせて、目の周りをぬぐう(目やにや汚れがある部位は最後にぬぐう)。他方の目を拭く時は、ガーゼの違う面で拭く。
【顔】
全体的に拭く。湿疹が目立つ時は、泡立てた泡でやさしく洗い、洗い残しがないようにおとす。
【頭】
爪を立てずに、指の腹で円を描くように洗う。
【首と脇の下】
汚れがたまりやすい場所なので丁寧に洗う。
【腕と足】
動きの多い部位なので沐浴布をうまく活用する。また赤ちゃんは指を口元にもっていきやすいため、手を石鹸で洗ったらすぐに湯で洗い流す。
【背中】
利き手を赤ちゃんの脇の下に入れて支え、ゆっくりとうつ伏せの姿勢にする。首の後ろ・背中・お尻を洗ってから元の姿勢に戻す。水面に顔がついたり、頭がベビーバスにぶつかったりしないように気をつける。
【お股】
男の子はタマの裏側を丁寧に。女の子は前から後ろに向かって洗う。

④最後に清潔なお湯でかけ湯をして、石鹸を洗い流す。

⑤すぐにタオルで押さえ拭きして更衣する。おむつは早めにつける。


〜POINT〜

・別でアウトバス法という方法もあります。
・沐浴時間は5〜7分以内にしましょう(着替えも含めて10分以内)。
・授乳後30分以上はあけましょう。
・37.5度以上の発熱時は無理にいれなくて大丈夫です。
・白湯は飲ませる必要がないです。湯上りには母乳かミルクで水分摂取をしましょう。


以上が沐浴の一連の流れです。


あくまでも一般的な方法をお伝えしたので、各ご家庭の状況に応じて臨機応変にアレンジしてください。


新生児期の限られた時間を大切にし、二度と戻ることのない新生児の姿を心ゆくまで眺め、思う存分触れ合って下さい。




沐浴は、たった30日間の限られた時間です。

楽しみましょう。

東京マタニティスクール