【メンタル③】怒りのコントロール方法と伝え方


【前回までの記事】
▶︎【メンタル①】イライラの原因と怒っている相手への対応
▶︎【メンタル②】怒りを客観視して感情の癖を知る

前回と前々回では怒りとの向き合い方をまとめてきましたが、本ブログでは実際に怒りが生じた時のコントロール方法を紹介致します。
産後の夫婦間やお子様に対してイラっとすることがあった際に活用していただけたら幸いです。

1. 怒りのコントロール(マネジメント)

反射的に怒りを表出してしまうタイプの人は、まずは「6秒間」怒りの感情を一時停止するトレーニングをすると良いといわれています。
日本アンガーマネジメント協会によると、怒りのピークは最初の6秒間だそうです。


この6秒間をやり過ごす方法として、以下の方法があるので参考にしてください。

1)6秒間の間に自分の感情(怒り)を、0〜10に点数化して評価する
例)
0:穏やかな状態
3:まぁまぁ腹が立つ
6:かなり頭にくる
10:人生最大の怒り

2)自分が落ち着く言葉を唱えたり、好きな風景や人を思い浮かべたりする
例)
言葉:大丈夫。なんとかなる。逆に面白い。ネタになる。
想起:旅行先の風景。過去の成功体験。大好きな人の笑顔。

3)深呼吸をしながら自分の呼吸に集中する
例)
呼気に集中:鼻から息を吸う(2〜3秒)→口からゆっくり息をふーっと吐き出す(吐き切るまで)
片鼻呼吸法:右手指で右鼻を塞いだ状態で左鼻から息を吸う→息を吐くときは左鼻を塞いで右鼻で息を吐く(これの繰り返し)
Box Breathing:以下のアニメーションに合わせて呼吸を行う。青い円の拡張に合わせて息を吸い続け、円の縮小に合わせて息を吐き続ける。


4)漸進的筋弛緩法
筋肉を意図的に緊張させてから緩めることを繰り返す。
例)
①手や足先、肩などにぎゅーっと力をいれた状態を5秒間キープ
②一気に筋肉を弛緩させる(ゆっくり弛緩させない)
③身体の脱力感を感じる
※これを繰り返す

5)その場から離れて時間をおく
例)
・部屋をでて外の空気を吸う
・トイレにいってクールダウン

6)感情を文字に書き出す
例)
・アンガーログをつける(感情の客観視)
・SNSの裏アカやメモアプリを活用

7)数字に集中して気を紛らわす
例)
・時計の秒針の動きに集中(6秒カウント)
・心の中で数字を数えたり、数式を解いたりする

8)出来事を小説っぽい文にして黙読(脳内ひとり言)
例)
「その時、花子は考えた。」
「それは花子にとって衝撃的な一言であった。」
「花子はそっと瞳を閉じて、6秒カウントを始めた。」

8)効果音(BGM)をつけてみる
例)
衝撃的事実の発覚:ベートーベンの運命
不信感:映画TRICKのOP曲
多忙で余裕ない時:ラヴェルのボレロ

9)自然音を聴く
例)
・雨音、森林、波の音
・焚き火の音

10)好きな人の声を聞く
例)
・聞き上手な友人に電話
・好きなアナウンサーや声優の声を聞く
・ラジオやボイスアプリの活用

11)出来事を別の視点でポジティブ変換する
例)
「起きてしまったことは変わらない」
「逆にこの状況を楽しもう」
「何かに気づくチャンスかも」
「これを昇華できたら成長する」
「これも勉強。必要な経験」
「これは後々ネタになりそう」
「新たなキャリアを考える最良のチャンス」
「PTSD(心的外傷後ストレス)ではなくPTG(心的外傷後成長)」

12)顔の表情を変える
例)
・口角をあげる
・意識して笑顔をつくる

13)好きな香りを嗅ぐ
例)
・日頃から好きな香りのアロマを持ち歩く
・香水をハンカチにふりかける

14)瞑想(目を閉じる)
例)
①姿勢を正して左右前後のバランスをとる
②目を閉じる
③吐くほうの呼吸に注力して、肺の中の空気をゆっくり外にだす

15)第三者的な視点で自分の行動をみる(メタ認知)
例)
①自分が映画のスクリーンの中にいる主人公だと思う
②ゲーム(RPG)の中の主人公だと想像してみる
③幽体離脱をして自分自身を上から見てみるイメージ

16)スマホをみない
例)
・電源をきる
・◯◯時以降は使わないと決める

17)自分へのご褒美(報酬)を考える
例)
「明日、◯◯のケーキを食べよう」
「夏休みは温泉旅行に行こう」

*  * 

以上、あくまでも一例にしかすぎません・・。
怒りの感情を抱いた時、どのような行動をとれば気持ちが落ち着くのか日頃から色々と試してみると良いと思います。
ちなみに私は普段からヨガをしているので、呼吸法を行うと落ち着きます。
意識してトレーニングを行い習慣化していくことが大切です。

2. イライラしないコミュニケーション

ストレスで最も多いのは、人間関係に関するものではないでしょうか。
特に産後や育児中は、家族間(夫婦、子ども、両親、義父母)でのミスコミュニケーションが起こりがちです。
家族であれ他人なので、理解し合うことは不可能です。
だからこそ言葉によるコミュニケーションで「お互いの心のうちを伝え合う」ことが最も重要だと考えます。
この会話を怠ると、遅かれ早かれ夫婦間や親子間の溝が広がってしまいます。
今は小さな溝でもやがて取り返しがつかないほど大きな溝になってしまうので、日頃から空いた溝を無視せずにシェア(会話)し合うことが大切です。

(1)何に対して怒っているのか一次感情に着目する


表面化されている怒りや悲しみは氷山の一角(二次感情)であり、その感情の下には、もともとは別の感情(一次感情)が複雑に絡み合いながら存在しているはずです。
突発的なヒステリーは、その裏に隠れている一次感情を守るための自己防衛反応なのかもしれません。
ですから何に対して自分が怒っているのか、そしてその怒りの原因は変えられることなのか否かを内観したうえで、感情を相手に伝えるのが良いと思います。

例)
:  待ち合わせ場所に20分遅刻
「遅すぎる!なんで連絡しないの!(怒)」
「仕事が忙しくて。これでも急いできたんだよ!(怒)」

この時、妻は遅刻をしてきた夫の行動に対して怒り(二次感情)を表出していましたが、その怒りの下には別の感情(一次感情)が隠れているはずです。

(一次感情)
・夫に何かあったのではないかという心配
・大切にされていないと感じる不安
・報連相ができない夫に対する不信感 等

更にこれらの感情を突き詰めると...

(べきだ論)
・時間を守るべき
・遅刻する際は報連相するべき

という「こうあるべき」という自分の価値観・ルールにたどり着きます。
しかし夫には夫なりの事情や価値観があります。
このような価値観の相違に向き合う際に重要なってくるのが、会話力(伝え方)です。


(2)伝え方の工夫


1)感情を素直に伝える
起きた出来事(遅刻したこと)を責めるのではなく、感じたことを伝えます。

例)
「何かトラブルに巻き込まれていたらどうしようと思って心配だった。」
「(遅刻したけど)無事にきてくれて安心した。」

2)具体的な提案をする
イライラしがちな出来事に対して、①許せるゾーン②まぁ許せるゾーン③許せないゾーン(怒り)に分類し、の境界線を相手に明確に伝えておく。 

例)
「一言連絡くれたら安心できるから、次から15分以上遅れそうな時は連絡してくれると嬉しい。15分までは待てるけど、それ以上になると私の場合はイライラしてしまう。」
「もし今後、15分以上遅れそうになった時は連絡し合おう。30分経っても連絡がとれなかったら、私は家に帰るね。」

3)伝え方とタイミング
伝える相手の性格・理解力・状況に応じて、伝え方や伝えるタイミングを変えていく必要があります。
例えば亭主関白で命令されることを嫌う夫に対して、直言は無謀です。しかし言うタイミングによっては聞いてくれる可能性もあります。
一方で議論好きな夫であったとしても、精神的に病んでいたり過労で余裕がない時には会話そのものが負担になる時もあります。
また論理的思考の人に感情論を長々と訴え続けても伝わりません(むしろイライラさせる)。しかしエビデンスやデータをもとにパワポや資料等で説明したら心に響く可能性もあります。

そしてお互いの気持ちをシェアし合いながら、無理そうでも要望があれば伝えてみます。
その際、どのように行動してほしいのかを具体的かつ明確に伝えておくと、相手も行動しやすいです。ただし強要・期待をしないのも、お互いを守るうえでは大切です。

他人は自分の思い通りにコントロールできませんし、望むようには変わりません。
特に子どもはコントロール不可能です。
思い通りにいかない時にイライラしがちですが、そのような時は本ブログで紹介した6秒ルールを取り入れてみてください。
また自分の怒り方に問題があると感じた際には、客観視(メタ認知)や怒り方の癖を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

*  * 

今回紹介した内容はあくまでも手段のひとつにしかすぎませんが、最近メンタル相談が非常に増えてきたので私自身も色々と勉強をしてみました。
何か少しでもお役に立てたら幸いです。

【前記事】
▶︎【メンタル①】イライラの原因と怒っている相手への対応
▶︎【メンタル②】怒りを客観視して感情の癖を知る

港助産院 城野
http://www.minato-josan.jp

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