ドイツの子育て事情(ドイツと日本の育児用品の違い)


前回、「近年のマタニティ・ベビー用品売り場について」という記事で、育児用品売り場に行った際の感想をお伝えしました。

溢れんばかりのマタニティ・育児用品の多さに驚いたと共に、昨今の育児用品のトレンドの変化を感じました。
おそらく市場に出回っている育児用品の大多数が、祖父母世代にはなかった物でしょう。
時の移ろいと共に育児用品は製品開発され、拡散・普及し続けています。
特に昨今は、外資系のマタニティ・ベビーメーカーが著しく普及しているように感じます。
特に、子育てに優しい国といわれている北欧・ヨーロッパの育児用品が流行しています。
では実際に、海外のマタニティ・ベビー用品の現地市場はどのようになっているのでしょうか。

ドイツのケルンに滞在中の親友(以下、I氏)に聞いてみました。



 結果(I氏)


ドイツには、日本のような大規模の育児用品専門店がほとんどないそうです。
つまり、「赤ちゃん本舗」や「西松屋」、「ベビザラス」等のベビー用品専門チェーン店がほとんどありません。
そのため子育て中の人々は、大型・中型スーパー・ドラッグストアに出向いて育児用品を購入するそうです。

日常生活品が揃っている大手ドラッグストアが手頃で、よく利用されている」というI氏。

I氏が実際に、ケルン市内にある大手ドラッグストア(dm)に行って現地市場をリサーチしてくれました。


まずは・・・

 ベビー服 




さすが寒冷の地、ドイツ。
日本では風通しの良い生地が好まれる傾向にありますが、ドイツのベビー服は生地が厚手でしっかりしています。そして帽子や靴下等の防寒グッズも豊富です。
服の特徴としては、日本ではコンビ肌着(丈が長くて股をボタンで止めるタイプ)が多いですが、ドイツではボディスーツ(頭からかぶせて全身をすっぽりおおうタイプ)が主流です。
また化学薬品を使用していないオーガニックコットン素材の衣類が人気です。


続きましては・・・

 おむつ! 


エコの国ドイツでは、紙おむつによる大量のゴミが問題視されています。
そこで紙おむつの削減・環境配慮のために布おむつが推奨されており、布おむつを使用すると自治体から補助金がでる地域もあるそうです。
しかし現状では日本同様に紙おむつ利用者が圧倒的に多く、店頭には多くの紙おむつが並んでいます。

↑やはりドイツでもパンパースが人気のようです。


ちなみに日本とドイツで大きく異なるのが、「おむつを替える場所」です。
おむつ交換の時、日本は床上で行うのが一般的ですが、海外では「おむつ替え台」の上でおむつ交換をする習慣があるそうです。

↓おむつ交換台



そして最後にご紹介するのは・・・

 離乳食! 


日本の場合、赤ちゃんが食べる離乳食は手作りが推奨されており、各自治体や医療施設でも「離乳食教室」が定期的に行われています。
しかし海外では、市販の離乳食を購入するのが一般的である地域が多いです。
ドイツでも同様に、瓶入りのベビーフードを利用する人が多いそうです。



I氏が「ドイツにはbio(オーガニック)が沢山あるよ。」と言っていたように、I氏が添付してくれた離乳食の写真にもBIOと表記されていました。



このBIOマークは、家畜の世話や飼料内容・科学合成肥料や遺伝子組み換え技術の使用状況等の基準をクリアした製品のみ認定されます。
オーガニック大国であるドイツでは「BIO」と表記されている離乳食が人気です。

離乳食の内容は?


日本では「白いお粥」から始めますが、ドイツでは人参や芋のピューレから始めます。また肉や魚を離乳食の中に取り入れるのも、日本より早い傾向にあるそうです。


 その他 


ドイツの育児用品は「エコ」「オーガニック」という視点で市販されていると前述しました。
たしかに育児用品に限らず、ドイツ産の化粧品はオーガニックを売りにしているブランドが多いように感じます。
化粧品に疎い私ですらも、ドイツ産のWELEDAやAnnemarie Borlind、Dr Hauschka等はよく目にします。
これらドイツ産のスキンケア商品は、厳格な基準で製造開発されているため評価も高く、赤ちゃん用のスキンケア商品(ベビーローション・ベビークリーム・ベビーソープ)も近年日本でよく見かけるようになりました。


また国が違えば子育てのやり方も違うように、ベビーバスの形状や沐浴の手順・方法も日本とドイツでは異なります。



色々な国の子育て事情を知るのも面白いですね。
また機会があれば他国の育児事情について起稿していきたいと思います。



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