陣痛の変化と、立ち会い出産時の夫のサポート内容(マッサージ方法)

2018年2月3日

10mois AOYAMAのママサロンにて出産セミナーを行いました。
和やかな雰囲気の中、皆様の笑顔や涙が印象的な1日でした。
ご参加いただきありがとうございました。



講座では毎回、「立ち会い出産時(夫)の役割や心得」についてお伝えしています。
お産に立ち会う際、多くの男性が何をして良いか分からず・・手持ち無沙汰になります。
陣痛で苦しんでいる妻の横で、何もできない自分に対する無力感や居心地の悪さを抱く人も少なくありません。


そんな時に是非サポートしていただきたいのは、マッサージです。
日頃からマッサージをしていなくて不慣れな人は、出産時に妻から「触らないで!」「下手!」と煙たがられます。
(そして落ち込んでいるご主人を何人もみてきました・・。)
しかしご主人がマッサージ上手だと、陣痛時の痛みや不安の軽減につながる為、とても心強い存在になります。


是非、妊娠中から奥様とスキンシップをとりながら、マッサージの練習をしてみてください。
妊娠中から既に腰痛を患っている妊婦さんは多いので、良い機会になるかと思います。
その際、奥様は自分の好むマッサージの強さや部位、方法をわかりやすく伝えてあげると良いでしょう。
(尚、マッサージされるのが嫌いな女性もいるので、その場合は無理にしないでください。)


ちなみに立ち会い出産の時、終始マッサージをし続ける必要はありません。
陣痛には必ず「間欠時間」という休息時間があるので、陣痛がきていない時はマッサージをしなくて大丈夫です。


またお産の始まり(前半)はまだ余裕があるので、無理にマッサージをしなくて大丈夫です。
奥様がマッサージをしてほしいタイミングで、サポートしてあげるのが良いでしょう。
(※触られるのが嫌なタイプの人もいるので、その際は側で付き添っているだけで十分です。)

ではまず、お産の経過と共に陣痛がどのように変化していくのかイメージしてみましょう。
陣痛の痛みの部位や強さは、お産が進むにつれて下記のように変化していきます。
各ステージにおけるサポート内容(赤字)を参考にしてください。
※個人差があります。

1. 前駆陣痛(お産が始まる前)

軽い生理痛のような下腹部痛で、まだ余裕あり。
→張りのカウント

2. 陣痛開始時(お産の始まり)

10分間隔の陣痛。主に下腹部痛でまだ若干余裕あり。
発作時、表情がややかたくなる。
会話や歩行、食事を問題なく行える。
→談笑や歩行の付き添いなど

3. 子宮口3〜4cm開大(前半)

痛みの範囲が広がり、陣痛も強く、長くなる。
お腹全体と腰が痛くなり、呼吸が荒くなってくる。
陣痛時は歩行が困難で、会話も億劫になる。
→腰を湯たんぽやホッカイロ等であたためてあげる。日常動作の介助。

4. 子宮口5〜6cm開大(中盤)

本格的に痛くて余裕がなくなるため、苦悶様表情になる。
(このタイミングで無痛分娩をする人が多い)
骨盤が開いてくる為、恥骨や尾骨も痛くなり、トイレに行くのも億劫になる。
→痛い部位を確認しながらマッサージする(主に腰全体)。歩行や体動時の介助。
(※無痛分娩で硬膜外カテーテルをいれている場合は、その部位に触れない)

5. 子宮口8〜9cm開大(後半)

赤ちゃんが下がってくるため、痛みの部位も下の方に移動してくる。
お尻がおされる感じや、お通じをしたい感覚が強くなっていく(赤ちゃんの頭が直腸を圧迫するため)。
頻繁に陣痛がきて、1回の張りが長くなるため疲労感が増強する。
→陣痛のタイミングに合わせて、手やボール等でお尻をおす。水分摂取の介助。過呼吸にならないように「ふー、ふー、」と呼吸を誘導してあげる。

6. 子宮口10cm開大(分娩室)

いきみたくなり、自然に力んでしまいがち。
痛みが肛門に集中し、陣痛がくる度にお尻をおされる感じがする。
全身に力が入るため、体力が消耗する。
→いきみやすいように枕で頭を支えてあげる。陣痛がきていない時は、力をぬくようにリラックや深呼吸を促す。汗を拭いたり、手を握ったりしてあげる。

7. 出産時(産まれる瞬間)

陣痛がきていない時も、痛みの余韻が残る。
痛みは出口付近に集中し、はさまっている感覚を抱く。
→スタッフの言葉が本人に届いていないことが多いので、耳元で復唱してあげる。スタッフが「いきまないでください」と言ったら、いきまないように「力をぬいて」等の声かけをしてあげる。

8. 出産後

会陰切開(会陰裂傷)による痛みや、全身筋肉痛が数日間続く。
痔や腰痛、浮腫みが悪化する人もいる。
加えて、急激なホルモン変動により、産後数日〜数週間は情緒不安定になりやすい。
そして休む間もなく、育児が早速スタートする。
→日常生活のサポート(家事・育児の協力)と、精神的サポート(共感・理解・ねぎらい)。

9. 赤ちゃんが成長して大人になった後

出産時の記憶を、何十年経っても鮮明に覚えている女性は多い。
陣痛の痛みを忘れる人は多いが、出産時の環境や周りの人間の対応(態度や言葉)は記憶として残りやすい。
そして我が子が結婚して、いつか自分の孫ができた時に当時のことを懐かしく思い出す。
→立ち会う際は、否定的な言葉は控えて、ポジティブフィードバックを大切に・・。




上記はあくまでも「一例」です。
お産の進み方や痛みの感じ方は個人差があるので、一概にはいえません。
また個人的には、立ち会い出産が必ずしも良いとは思っていません。
立ち会いたいのであれば立ち会えば良いし、立ち会いたくないのであれば無理する必要はないと思っています。
大切なのは、妊娠中からいかに夫婦間でコミュニケーションをとることができるかだと思っています。

残りの限られた妊娠期間をご夫婦で仲良くお過ごし下さい。

港助産院
http://www.minato-josan.jp
03-6868-4649
城野

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