ママのための産後ケアセンター(Mammy Camp TOKYO BAY)


なぜ産後ケアが必要なのか

日本で出産した場合、産院を退院するのは経腟分娩で5日目、帝王切開で7〜10日目です。
この期間に育児に慣れることは困難で、過半数以上の母親が不安を抱きながら退院していきます。
特に育児の大半の時間を占める母乳育児が確立しない状態で退院する人が多いため、自宅でどのようにミルクを補足したり母乳トラブルを回避したりすれば良いのか分からずに困惑している人が多いです。
しかも産後数週間から数カ月は、出産時の身体的ストレス(創痛や関節痛)や慢性的な睡眠不足などで疲労はピークに達します。
加えてこの時期はホルモンバランスが急激に変動するため、情緒不安定になりやすい時期でもあります。

そのような状態でも、母親は24時間、新生児つまり「命あるもの」と向き合っている緊張感と責任感を無意識下で抱えながら過ごしています。
その心身の負担緩和のために数年前から注目されているのが、産後ケア事業です。

産後ケア施設とは

産院退院後、育児や生活全般をサポートするスタッフが常勤している施設に、入院の延長線上で宿泊できる場所です。
韓国や台湾では、産院退院後にこのような産後院に入所する流れが一般的で普及しています。
しかし日本では経営上の難しさや認知度の低さ等の問題があるためか、産後院の数が少なくて普及していません。
そのような中でも、活発に産後ケアに力をいれている施設があります。

今日はそのうちのひとつの産後ケアセンター「Mammy Camp TOKYO BAY」をご紹介します。

Mammy Camp

"マミーキャンプ"は、医療法人白報会グループが運営する産後ケアセンターです。
24時間の育児生活をこころ穏やかにゆっくり過ごせるよう、専用サロン(Brin de vie)やハーブテント、足湯、温熱療法等が併設されています。
十分に休息しつつ、専門家(以下、要確認)による母乳ケアや育児指導を個別的に受けることができます。


〜マミーキャンプの専門家とは〜
マミーキャンプは、韓国の産後ケア施設をモデルにしているため、在中スタッフの大半が医療者ではなく、韓国で研修をしてきた方たちです。
助産師・看護師・保育士ではない方がほとんどのため、母乳育児指導内容が出産した産院とは異なることが多いです。
(たまに助産師が採用されることもあるそうですが、いない時期もあるので、専門職の母乳マッサージをご希望の方は施設への事前確認を推奨します。)


それでは早速、マミーキャンプの施設内の様子をみてみましょう。
今回ご案内して下さったのは、医療法人白報会グループで美容部門を担当する(株)モディッシュの田中さんです。


マミーキャンプは、南船橋駅から徒歩10分のビビット南船橋内にあります。
24時間出入りが可能で、セキュリティも万全です。
特に衛生面には気をつかっているようで、施設を入る際には必ず全員がエアシャワーを行います。

清潔で掃除が行き届いている施設内はとても綺麗で開放的(370坪)で、まるでホテルのようでした。


*Lobby Lounge*

こちらは入ってすぐのロビーです。
個室のカウンセリングルームもあり、プライバシーを配慮した環境が整っています。

窓越しにベビールーム内の赤ちゃんの姿をみることができます。

*Room*

マミーキャンプには全3タイプのお部屋があり、ご家族の宿泊も可能だそうです。

~Suite Room~

こちらのお部屋は、スイートルームです。






陽当たりがよくて広々としており、ゆったりと過ごせる空間です。


~Superior Room~

こちらはスーベリアルームで、スタンダードルームより広めのお部屋です。




~Standard Room~

そしてスタンダードルームは13室あります。
全室、ダブルベッドです。




全てのお部屋にシャワー、トイレ、テレビ、冷蔵庫などが備わっているため便利です。
しかも産後ケアに必要な下記物品が全ての客室に用意されていました。

【ベビーベッド、搾乳機、授乳クッション、おむつ、おしりふき、おむつ専用ゴミ箱、ガーゼ、赤ちゃん用肌着、母乳パット、産褥パット、授乳クリップ】



*Baby Room*

「ベビールーム」では、スタッフが24時間体制で赤ちゃんのケアを行っています。
疲れて休みたい時や外出したい時等に、安心して預けることができます。
沐浴や検温、黄疸・体重チェックもしてくれるそうですよ。


*Multipurpose Room*

「多目的ルーム」では、育児指導を自由参加型で受けることができます。
沐浴方法や授乳・調乳方法、爪切りなど・・

骨盤ストレッチチェアもありました。



*Dining Room*

マミーキャンプには、専属の調理師や栄養士が常駐しています。
1日5回の食事(おやつ・夜食含)は、和食中心でバランスが良いため、産後の回復や乳汁分泌のために必要な栄養が摂取できます。




これらのハーブティーはいつでも自由に飲むことが可能です。

*Special Care Room*

そして人気のスペシャルケアルーム!
マミーキャンプには、産前産後に特化したコスメブランド「Brin deVie」の専用サロンが併設されています。
Brin de Vieママズケアシリーズの中には、デリケートな会陰部や乳頭にもつかえるオイルもあるので、産後の女性も安心ですね。


そんなスペシャルケアルームにはエステティシャンやヘッドスパニストが常駐しており、下記の様々なメニューを受けることができます(料金は要確認)

*エステ*

*ヘッドスパ*



*足湯*



*ハーブテント*



*温熱療法*

*Other Room*

他にも写真撮影室での写真撮影や、各種イベント(アロマスプレー講座やアイシングクッキーなど)開催しているそうです。

*写真撮影室*


*談話室*
同じ時期に出産した母親同士の憩いの場になっています。



以上、マミーキャンプのご紹介でした。
マミーキャンプからご自宅に戻られた後に、当院をご利用いただく方が非常に多いため、この度は施設見学をさせていただきました。
マミーキャンプは韓国式産後ケアを提供しているため、日本の産院の母乳育児指導内容とは若干異なります。
「人によって言うことが違う」と混乱することもあると思いますが、様々な情報があるからこそ、ご自身に合った方法を納得したうえで選択していくことが大切だと思います。



またご自宅に戻られたあとも、「出張専門助産院」であれば、ご自宅で助産師による産後ケアを受けることが可能です。
港助産院は、母乳育児ケアや沐浴指導、ベビーシッティング等に力をいれている訪問型の助産院なので、産後お困りのことがございましたら何なりとお申し付けください。

訪問可能エリア:東京都23区、神奈川県の一部地域(要相談)

港助産院
HP:http://www.minato-josan.jp
TEL:03-6868-4649


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