妊婦さんがイメージする育児と現実とのズレ
初めて妊娠した妊婦さんが抱く育児のイメージと、現実の育児との間には多少なりともズレが生じることがあります。
「こうありたい」という理想と現実との差異が大きく、不一致状態になってしまった場合、ストレスや不安が引き起こされてしまいます。そしてそれらはマタニティブルーや産後うつの引き金となり得る可能性もあります。
また妊娠中から育児に対して否定的なイメージを持ち続けることは、妊婦さんの不安や精神的負担を増強させてしまいます。
そこで妊婦さんの抱く育児のイメージと現実との相違が広がりすぎないよう、誤解やギャップを妊娠中から修正していくことが大切です。
ではどうしたら良いのでしょうか。
まず「なぜ自分が育児に対してこのようなイメージを抱いているのか」内省してみましょう。
育児のイメージに影響を及ぼす因子として、様々な社会的背景が挙がってくると思います。
- 少子化による子どもとの触れ合い経験
- 幼少期の両親との関係性
- 仕事に関する役割意識
- 協力者の有無
- 夫や家族との関係性
- ライフプラン
- 経済的問題 など
これらは育児に対するイメージに多少なりとも影響してきます。
特に夫婦関係はどうでしょうか。
子育ては母親1人の責任ではなく、家族単位で向かい合っていくことです。
夫婦仲は子育てに大きく影響するため、この基盤が揺らいでいる限り、母親は子育てに集中することができません。
育児に関する研究でも、以下のことが確認されています。
- 夫婦関係が良好であるほど胎児への関わりも良好
- 夫婦間の関係性は妊婦が育児をしようという育児動機に関連する
- 夫との関係が現在の生活における幸福感と関連する
ご主人やご家族は、妊婦さんの育児に対する不安やストレスを軽減させる鍵を握っています。その自覚を大切に、良きサポーターになれるといいですね。
育メンという言葉が浸透してきていますが、これからの時代は、ご主人やパートナー・家族を含めた妊娠中からの協力が必要です。
我が子に対して不安を抱く心境は、親として当然の心理でもあります。育児への否定的な感情をもつことは決してマイナス要因ではないのです。
妊娠・出産・子育てという過程を通して、自然と育児へのイメージは修正されていくのです。そして夫婦・子どもとの相互関係の中で、育児の楽しさは見出されていきます。
是非、ご自分の育児観と夫婦・家族関係を見つめなおしてみてください。
東京マタニティスクールでは、妊婦さんやそのご家族に対する知識の提供だけでなく、夫婦・家族が心理的に安定した状態で出産・育児を迎えられるサポートを大切にしていきたいです。
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港助産院 城野