お産に大切な4要素について(分娩の4要素)



今日は、お産に大切な4つの要素(分娩の4要素)についてお話します。
1つでも欠けていたら、正常な分娩経過から逸脱してしまう可能性がある4要素です。
つまり、以下の4点の相互関係がお産の進行を左右するといっても過言ではありません。

 産道 

赤ちゃんの通り道のことです。
産婦さんの体型や骨盤の形、頸管や膣の状態が、お産の進行に大きな影響を及ぼします。
人が生まれる時、この約10cmの通り道を通ってこない限り、生まれることはできません。この通り道はたった指1本分の長さですが、赤ちゃんにとっては命がけのフルマラソンのようなものなので、常に危険と隣り合わせの状態になります。
その道のりを左右するのが、お母さんの産道です。

 胎児・その付属物 


赤ちゃん本人と、赤ちゃんを取り巻く羊水へその緒胎盤のことです。
陣痛という外部ストレスにたえられる健康状態なのか。
産道をスムーズに通ることができる姿勢なのか。
赤ちゃんを守る羊水の量はあるのか。
赤ちゃんに酸素を届けてくれるへその緒に問題はないか。
つまり赤ちゃん自身が健康で、お産に向けての体勢が整っていない限り、産道を通ることはできないのです。

 娩出力 


陣痛・いきみ。つまり、赤ちゃんをおしだす力のことです。
赤ちゃんがスムーズに産道を通過するのをサポートするのが、お母さんの陣痛です。
陣痛はお母さんにとっては痛くて辛いものですが、この陣痛が強まらない限り、赤ちゃんは前に進むことができません。
お産の時、赤ちゃんとお母さんは切り離せない関係で繋がっており、互いに影響を及ぼしあう相互作用が働いているのです。
お産とはすなわち、2人で助け合い、協力しあう初めての共同作業ともいえます。

 母体精神 


お母さんの精神状態がお産には大きく影響します。
過度の緊張や不安は、全身の筋肉を硬直させます。そのことで疲労やストレスが蓄積され、結果として陣痛が弱まってしまいます。
ストレス・不安・緊張→疲労・体力の低下→陣痛が弱まる→産道が開かない→お産が進まない
この悪循環が生じてしまうのを防ぐためにも、リラックスする必要があります。
そのサポートをするのが、医療者やご家族です。
前向きにリラックスした状態でお産に臨めるよう、妊娠中から心と体の準備をしておきましょう。


以上がお産の4要素です。
医療者の力だけで、この4要素を全てカバーすることは不可能です。

この分娩の4要素がうまく機能するために、妊娠中からできることは何でしょうか。

港助産院 城野

東京マタニティスクール