赤ちゃんの夜泣き〜夜泣きの原因と対策〜


本日は多くの親を悩ませている「夜泣き」をテーマに、記事を書きます。



赤ちゃんにとっての最も主要なコミュニケーション手段である夜泣きは、欲求する事柄や身体の良し悪しを伝える唯一の方法です。
赤ちゃんが泣くと、周囲の人間は赤ちゃんに注目し、「なぜ泣いているのだろう」と気になります。
しかし泣き声が頻繁であったり、何をしても泣き止まない状況が続くような場合には、ストレスや育児不安感の増大につながります。
特に親の睡眠時間に直接影響してくる「夜泣き」によって睡眠不足が続くと、心身共に疲労が蓄積されていきます。
その結果、育児に対する自信喪失や、育児ノイローゼ、虐待などの不適切な育児行動へとつながる危険性もあります。

よって心身の負担を軽減するためにも、夜泣きの原因や対策を知り、夜泣きとの向き合い方を知っておく必要があります。

そこで本日は、夜泣きの原因と対策、そして夜泣きとの付き合い方についてお伝えします。



そもそも夜泣きの定義は?


「機嫌よく寝つき、よく眠っていた乳児が、はっきりした原因(空腹・おむつが濡れている・部屋が暑すぎる・寒すぎるなど)がないのに、夜中に起きて激しく泣く場合」
といわれています。
そのため、新生児が空腹を訴えるために夜中に泣くことは、夜泣きとは呼びません(満腹になれば泣き止むため)。

夜泣きが多い年齢は?


母親の顔を認識する6ヶ月頃より、人見知りの強くなる8ヶ月頃に夜泣きのピークがきます。そして夜泣きは1歳頃まで続き、1歳を過ぎた頃から急激に改善し、3歳以降はほとんど認められなくなります。

夜泣きの原因は?

明確に分からないことが多いですが、発達の一段階であると考えられています。

日中の刺激や興奮で夜中に夢を見るのではないかとか、睡眠のリズムがつかめず体内時計がくるってしまうのではないか等の様々な説があります。

1〜3ヶ月の赤ちゃんの場合は、空腹・過度の満腹・排泄の不快感など生理的欲求を訴えて夜中に泣くことがしばしばあります。その時はその欲求を満たしてあげることで大半は泣き止みます(夜泣きとはいいません)。

5〜6ヶ月以降になると、周囲からの心理的影響を受けるようになります。
そのため、環境の変化で興奮したり、親から離されて不安になったりします。

更に1歳近くになると、運動が活発になり、体を動かしたいとういう欲求も増えてきます。故に昼間にその活動欲が満たされていないと、質の良い睡眠がとれずに、夜中に目覚めて夜泣きをすることがあります。

夜泣きの対応は?


姿勢を変えながら抱っこ、授乳、添い寝、添い乳、さする、軽くたたく、ゆっくり揺らす、音楽、マッサージ、外気に当てる、入浴など・・夜泣きには様々な対応策があります。
個人差もあるので、確実な決定打はありません。
あれこれやっているうちに時が解決するのを待つしかないといわれています。

夜泣きが続いて疲れたら?


夜泣きは成長過程の1つとも言われている生理的な反応です。

決してご両親が悪いわけではありません。また病的なことでもないですし、育児の影響でもありません。

赤ちゃん、そして自分自身のことを責めずに、「これは今だけの期間限定」と言い聞かせてください。
泣いても焦らずに、しばらくのんびりとした気持ちで過ごしましょう。
「絶対に今すぐに泣き止ませないといけない」という焦りは捨てて、ゆったりと抱っこしてゆすったり、授乳したり、添い寝したりして過ごしてください。

夜泣きをしない赤ちゃんはいません。
これはすなわち夜泣きを体験したことがない母親もいないということです。

気持ちをおおらかに持って、長い目で赤ちゃんと接することが大切です。
夜泣きは病気ではないので「治す」必要性がないのです。「うまく付き合う(一過性の赤ちゃんなりの表現だと捉える)」ことが大切です。

それでも夜泣きが原因で疲労困憊してしまう時もあるでしょう。
そのような時は、こまめに休息をとることが何よりも重要です。
日中短時間でも赤ちゃんが寝てる時に、親も寝るというリズムが大切です。
その休息をサポートするためには、周りの協力が非常に重要になってきます。
ご家族の方は、交代で抱っこをしたりミルクをあげたりして、母親が寝れる環境をつくってあげてください。

注意すべき夜泣き


ただの夜泣きではなく、身体の不調を訴えている場合もあります。
1日中不機嫌で何をしても泣き続けている場合や、急に激しい夜泣きが突発的に始まって間歇的に泣く場合など・・
「いつもとは全く泣き方や様子が違って苦しそう。元気がない状態が続いている。」と気になる場合は、全身状態(皮膚色や発疹の有無や、呼吸状態、排泄状況など)の観察を行い、医療機関に相談してください。


次回は、赤ちゃんの睡眠サイクルについてお話しします。


〜関連記事〜

妊婦さんがイメージする育児と現実とのズレ
新生児期の記憶について
【出産】赤ちゃんが生まれてくる時


東京マタニティスクール
港助産院 城野

東京マタニティスクール