妊娠中・授乳中のコーヒーについて(赤ちゃんにカフェインは影響する?)


先月より毎日継続して母乳マッサージと沐浴ケアをさせていただいている方がいます。
病院退院後からほぼ毎日お会いしている方なので、日々のお母様の母乳の変化と赤ちゃんの成長が目に見えて分かって、私自身もとても嬉しいです。
このように継続して関わらせていただくと、まるで我が子のようにH様の赤ちゃんの成長を嬉しく感じるようになりました。
まだまだ未熟者の私ですが、H様と赤ちゃんの母乳育児がより良くなりますよう、残りの日々も全力でサポートさせてください。

さて昨日はそのH様からとても美味しいコーヒー豆をいただきました。
私はコーヒーが大好き(コーヒー中毒?)なので、早速3杯も真夜中にドリップしてしまいました。

コーヒー。
美味しいですよね。

私と同じように、コーヒーが大好きな妊婦さんも沢山いらっしゃると思います。
実際に、カフェインに関連した類の質問はよくお受けします。

そこで本日は、妊娠中と授乳中のカフェインの影響についてお話しします。

Q 妊娠中にコーヒーを飲んで良いの?


結論から述べると、飲んでも大丈夫です。
しかしそれはあくまでも適量範囲内(1〜2杯/日)の話なので、コーヒーの過剰摂取は控えましょう。WHO(世界保健機構)は1日のカフェイン摂取量を300mg(コーヒー1〜2杯程)までと推奨しています。

なぜならコーヒーに含まれるカフェインは胎盤を容易に通過して、赤ちゃんに届きます。
赤ちゃんの代謝機能は未熟である為、カフェインを分解・排出するのに時間を要します。
そして多量のカフェインを継続して摂取することで、下記の悪循環が生じる可能性が示唆されています。

①低出生体重児
カフェインの血管収縮作用により胎盤の血流が減少し、赤ちゃんにおくられる酸素と栄養が減ります。

②流産や早産のリスク
明確なエビデンスはありませんが、1日300mg以上摂取すると、流早産のリスクが上昇するという研究データがあります。)

③カルシウムや鉄の吸収を阻害します。

Q コーヒを飲むと、母乳に影響する?

カフェインはお母さんの血中から母乳中に速やかに移行します。摂取後60〜120分で濃度が最高値に達し、母乳中にも出ます。
1日1〜3杯程度を摂取する程度であれば問題ないと言われていますが、カフェインの半減期は80時間と長い為、頻繁に摂取するのは控えることをおすすめします。
常に多量摂取すると赤ちゃんが落ち着かずイライラしたり、眠らなくなったりする可能性があります。
そのため、もし紅茶やコーヒー、緑茶等を摂取する場合は、授乳直後が良いでしょう。
「絶対に飲んではいけない」というわけではないので、リフレッシュしたい時に適量を摂取するのは問題ありません。
米国小児学会は、母親のコーヒー摂取量が1日3杯以内なら、カフェインは児の尿に検出されないので、児への影響はほとんどないと報告しています。

無理に我慢をしてストレスをためないことが大切です。

Q カフェインが多く含まれている食べ物は何?

《1杯あたりのカフェイン含有量》

・玉露:200mg
・コーヒー:50〜150mg
・ココア:10〜20mg
・コーラ:34mg(1缶)
・チョコレート:20mg(50g)
・その他、炭酸飲料や滋養強壮ドリンク


一方で、カフェインがほとんど含まれていない飲み物もご紹介します。

《ノンカフェイン飲料

・麦茶
・煎り玄米コーヒー
・たんぽぽコーヒー
・たんぽぽ茶
・ルイボスティー
・ハーブティー


何事も「過剰摂取」はよくありませんね。
特に妊婦さんと授乳中のお母さんは、食べたものがダイレクトに赤ちゃんにつながります。
日々の食事は赤ちゃんと分かち合っているという視点で、食生活を楽しめたら良いですね。
ストレスにならない範囲内で、嗜好品とはほどほどに付き合っていきましょう。


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