妊婦がアルコールを飲んだら赤ちゃんはどうなるの?

前回(カフェインが及ぼす母子への影響)に引き続き、今回も嗜好品についてお話します。

嗜好品の代表格でもあるアルコール
実は私自身もアルコールが大好きで、限定品のウイスキー収集にはまっていた時期がありました。しかし仮にもし自分自身が妊娠したら、これらのお酒と完全に縁を切れる自信があります。

なぜならお酒を飲まないことで得られる安心感は、お酒を飲むことで得られる一時的な快楽とは比にならないからです。

お母さんがアルコールを飲んだらどうなるの?



アルコールは胎盤を容易に通過して赤ちゃんに移行します。
つまり母体の血中アルコール濃度がそのまま赤ちゃんに影響を及ぼします。
アルコールによる赤ちゃんへの影響として代表的なのが、胎児性アルコール症候群です。
この胎児性アルコール症候群とは、アルコールに伴う栄養不良や代謝障害、アセトアルデヒト(アルコールの代謝物)等が影響し、下記の症状が生じる可能性が高くなります。

  発育の遅れ
  頭蓋骨の形成不全
  顔面の奇形
  心臓の奇形
  行動障害
  中枢神経系の異常

また多量のアルコール摂取を続けることで、早産児低出生体重児流産死産のリスク因子になり得る可能性も報告されています。
そのため、全てのアルコール製品には「妊娠中や授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。」という記載が義務付けられています。

アルコールを全く飲んではいけないの?


妊娠中のアルコール摂取量と胎児への影響についてはさまざまな報告があります。そのため絶対に安全なアルコールの下限量というものは分かっていません。

少量でも胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中のアルコール摂取は控えることをおすすめします。
特に妊娠初期の4〜10週までの「器官形成期」は控えたほうが良いでしょう。この器官形成期は、人間が生きる上で重要な器官が形成される時期であり、最も奇形が発生しやすい作用を受けやすいため注意が必要です。


文頭でも述べましたが、お酒を飲まないことで得られる安心感は、お酒を飲むことで得られる一時的な快楽とは比になりません。

今は何が一番大切なのか、赤ちゃんの立場になって日々を過ごしていけたらいいですね。




〜関連記事〜

妊娠中・授乳中のカフェインについて(赤ちゃんにカフェインは影響する?)
妊娠したらタバコをやめるべき理由
なぜ妊娠したら葉酸を摂取しないといけないのか



東京マタニティスクール

港助産院 城野

東京マタニティスクール