添い寝・添い乳について



本日は、添い寝と突然死の問題点や利点をふまえ、添い寝・添い乳の安全性や方法について検討したいと思います。

【添い寝・添い乳とは?】



同じ布団で赤ちゃんと一緒に横になりながら寝ることを添い寝と言い、そのまま横になった状態で授乳をすることを添い乳と言います。

退院後、自宅に戻られた多くのお母さんから「ベビーベッドに置くと泣くので、結局ずっと添い寝してます。授乳が続くので添い乳して寝かせています。」という言葉をよく聞きます。

【添い寝で気をつけるべきこと】


乳幼児突然死症候群(以下、SIDS)の危険因子として議論されています。
SIDSとはその名の通り、赤ちゃんが特発性に原因不明で亡くなってしまうことです。
アメリカ小児学会では添い寝の危険性を強調しており、国内でもSIDSによって亡くなってしまった赤ちゃんの33%が添い寝中だったという報告もあります。
SIDSの原因として、親の身体によって窒息に陥る可能性があげられます。
またSIDSの危険因子として体温の異常な上昇による温熱ストレスが指摘されており、添い寝中の赤ちゃんの直腸温が上昇しやすいという報告もあります。

一方で、母親が薬物を内服しておらず、うつ伏せに寝かせていなければ添い寝がSIDSの危険因子にならないという疫学調査の報告もあります。そのため、国や地域によっては添い寝を避ける勧告を積極的にしていない所もあります。

【添い寝のメリットとは?】


・赤ちゃんが泣いたらすぐに授乳できる。
・夜間の授乳時間が長くなるため、母乳分泌が促進される。
・添い寝により赤ちゃんの睡眠パターンやリズムを把握しやすい。
・下肢の浮腫改善。
・産後の肉体的疲労度の軽減。
・母子間の皮膚接触や声かけによる聴覚への刺激時間の増加

【安全な添い寝とは?】


SIDSの危険因子であるうつぶせ寝を避けることです。観察できる間は構わないのですが、夜間入眠中や赤ちゃんから離れる際は避けましょう。

【まとめ】


添い寝をすることによって得られるメリットは沢山あり、特に母乳育児中の母親には必要なスタイルです。
しかしこの添い寝によって事故が起きる可能性もゼロではありません。
よって医療者や施設によっては添い寝を禁止しているところもあります。

それでも退院後は添い寝が必要な状況になるケースが多く、昔から添い寝は当然のこととして行われてきました。

もし自宅に帰られてから添い寝をする場合には、以下の注意点を守りましょう。

・うつぶせ寝にしない
・禁煙する(喫煙によるSIDSリスクの上昇)
・暖めすぎない(平熱36.5〜37.5度)
・やわらかいソファやウォーターベッドは避ける
・赤ちゃんに高すぎる枕は不要
・転倒や転落を防ぐ


寝具やポジショニング、環境温などに留意し、安全に添い寝や添い乳が行えるようにしましょう。

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