なぜ妊婦さんの足はつりやすいのか(こむら返り)



こむら返りとは、ふくらはぎに起こる疼痛を伴う持続性の痙攣のことです。
筋肉疲労時やストレッチ後に起こりやすいのですが、妊娠末期には特におこりやすくなります。
出産時、いきんでいる最中に何度も足がつる人も沢山います。

ではなぜ妊婦さんはこむら返りがおきやすいのでしょうか。



  • 増大した子宮により下半身の血液循環が悪くなり、うっ血状態になっている
  • 増大した子宮を保持するためにふくらはぎに負担がかかる一方で、就寝時にはふくらはぎが弛緩状態になるため
  • 代謝エネルギー生産や筋肉疲労蓄積に関わるビタミンB1不足
  • 筋収縮や神経伝達に関与するカルシウム不足
  • リン酸の過剰摂取(カルシウムの吸収を抑制)
  • 過呼吸による血中二酸化炭素濃度の低下

これらのことが原因でこむら返りを頻繁に起こすことで、痛み・不安の増強、睡眠不足につながってしまいます。

そこで本日は、こむら返りの予防方法をお伝えします。
  • 高すぎるまたは低すぎるヒールの靴は避ける。目安は2〜3cm高。
  • 底屈位(つま先を伸ばす)を避ける
  • 体重コントロール(ふくらはぎの負担を減らす)
  • リン酸(食品添加物)の過剰摂取をしない
  • カリウム、ビタミンB1・Dの補給(乳製品、小魚など)
  • 下肢のストレッチ
  • 下肢のマッサージ
  • 下半身の冷えの予防
  • 下肢の筋肉の進展運動
  • 長時間、同じ姿勢を続けない
  • サポートタイプのストッキングの装着
また、下肢にズキズキするような痛みがある時は、児頭が神経(坐骨神経)を圧迫をしている可能性があるため、体勢を変えてみましょう。胸膝位といって、胸を膝に近づける姿勢がおすすめです。

では、実際にこむら返りになってしまった時はどうしたら良いのでしょうか。

  • マッサージ(円をかくようにふくらはぎをこすって血行をよくする)
  • 起き上がって歩く
  • 足の指をすねの方向に向けて強めに反らせる
  • 足の指をゆっくり回す
  • 立ってアキレス腱のストレッチ
  • こむら返りに効果的なツボを押す(委中、承筋、足三里、太衝)

妊婦さんに起こりやすいこむら返りは、妊娠による一時的なマイナートラブルです。
こむら返りが習慣化しないよう、これを機に生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。



港助産院 城野



東京マタニティスクール