ヒトは何でできているのか


人間の体は何でできているのか。


小学校の医務室勤務や性教育に携わっていた時期、子どもたちに「どこからヒトは生まれてくるの?」「ヒトは何でできているの?」と何度か聞かれたことがあります。

「人間は何でできているのか」という問いに対し、「元素」「細胞」と答えても小学生に伝わらないと思った私は「親」「ご先祖様」と答えていました。


当たり前のことですが、カエルの子はカエル、ヒトの子はヒトになります。
遺伝子の本体であるDNAはすべての細胞に存在し、このDNAが遺伝情報をもっていて、細胞はそれに従って活動をしています。
まさに「体の設計図」であるDNAですが、その設計図の中には約3万もの「遺伝子(設計図にかかれた詳細)」があります。

この膨大な設計図は、先祖代々から受け継がれてきた遺伝子の連携が途切れなかったからこそ存在します。

約20万年前の総人口は5,000人(ホモサピエンス)といわれていますが、そこから爆発的に人口が増え、現在の世界人口は約73億人です。
自分の先祖の数はまさに無数であり、その何千万という先祖の連結があったからこそ、今の自分がいると思うと感慨深いです。
まさに"人身受け難し今すでに受く"ですね。

自分より4代前の高祖父母は16人。8代前は256人。12代前は4096人。
更に・・数千年前に遡ると、世界人口より多い先祖がいる計算になります。

近年、先祖からの記憶も遺伝子によって引き継いでいるという説の「細胞記憶」が話題になっていますが、記憶までとはいかなくとも、遺伝情報は確実に受け継がれています。
「先祖返り」という言葉がありますが、物故された身内の遺伝子は次世代の子どもの体内にも残っています。



よく「子どもを産んだ直後に祖父母が亡くなった」「子どもが生まれた日に親が他界した」という人に仕事でお会いします。
先日も助産院の仕事でそのような方にお会いしました。またこの度の熊本・大分地震によって大切な人を亡くされたご遺族も沢山いらっしゃいます。

改めて、震災で犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災されたすべての方に心からのお見舞いを申し上げます。

赤ちゃん、そしてこれから生まれくる子どもたちが安心して過ごせる環境があってこそ真の復興だと思っています。

被災地では、子育て中の多くの母親が未だに授乳や育児用品不足に困っています。
「震災時に必要な物」に関しては、以前の記事でまとめているので、もしよろしければ参考にしてください。




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