【妊娠中のむくみ】妊婦のむくみの対策・原因
妊婦さんからよく「身体がむくむようになりました」というご相談をお受けします。
妊娠中に浮腫みが生じることを妊娠性浮腫といい、特に夕方と就寝前に下肢や足首、くるぶしがむくみやすくなります。
多くは妊娠時の生理的変化による一過性ですが、腎疾患や心疾患、妊娠高血圧症候群を合併すると、顔面・手指・全身に及ぶこともあります。
妊娠中にむくむのは良くないの?
むくみは症状としては随伴的ですが、赤ちゃんの発育や母体の予後などから見た病候的な意義はありません。
むくみは約半数の妊婦さんに見られ、血圧の上昇、尿・腎臓検査の異常がなければ経過観察で問題ありません。一方で、妊娠28〜32週未満の全身性のむくみ(1週間で500g以上の体重増加)は、その後の妊娠高血圧症候群の発症を予知させる可能性もあるので注意が必要です。
妊婦さんがむくみやすい原因は?
妊娠による循環動態・ホルモン動態の変化によって起こります。
・循環血液量の増加→非妊娠時より約30〜40%の増加
・妊娠末期の増大した子宮による下大静脈圧迫→血流が悪くなる
・ナトリウムによる排泄量の減少
・エストロゲンというホルモンによる組織内の水分貯留量の増加
・水と電解質の貯留促進(エストロゲン・プロゲステロンというホルモンの影響)
注意)体重、血圧、タンパク尿の結果がきになる場合は、他の疾患との鑑別も必要です。
妊娠中のむくみの対策は?
- 過労を避け、十分な休息をとる
- 就寝時、下肢を挙上する
- 塩分10g/日
- 水分は控えない
- 下肢の運動・ストレッチ
- ツボ(湧泉・複溜などの指圧)
- マッサージ
- 弾性ストッキングの着用
- 長時間の立ち作業・座り作業は避ける
- 足浴(下肢の循環促進)
- ハーブティー(キササゲ茶など)
- 必要時は病院から漢方の処方
注意)子宮収縮に注意しながら運動・ストレッチを行いましょう。
以上が妊娠中のむくみ対策の一例です。
毎回妊婦検診時には、むくみの状態を確認されて母子手帳に記載されます。
大半の妊婦さんのむくみは正常範囲内の生理的な反応であることが多いです。
しかしむくみやすい体質の人は、長期的にむくみが続くため、産後もむくみに悩まされます。
特に出産後は妊娠中よりもむくむため、「入院時に履いてきた靴が、むくんで入らなくなった!退院の時に履く靴がない!」という状態になる人が多々います。
そこで次回は、産後のむくみについて追加説明します。
〜関連記事〜
・【産後のむくみ対策】6つのむくみ解消法
・妊娠線の予防とケア
・なぜ妊婦さんの足はつりやすいのか(こむら返り)
・妊婦の冷えについて
東京マタニティスクール
港助産院 城野
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