【新生児・乳幼児の地震準備リスト】震災時、赤ちゃんに必要な避難用具


前回、「震災時、赤ちゃんはどうなる?」というテーマで、大地震が起きた際に予測される赤ちゃんのトラブルを記述しました。
2011年3月11日の東日本大震災での教訓をもとに、震災で避難が必要となった際の赤ちゃんの避難用具についてご紹介します。

前回も述べましたが・・東京都では、今後30年の間に震度6以上の大地震(首都圏直下地震)に見舞われる確率が70%といわれています。
いつきてもおかしくないと言われている大地震に備えて、日頃から意識・準備をしておきましょう。
赤ちゃんの命を守ることができのは、唯一無二のご両親です。




それでは、震災時の育児に必要な避難・防災用具をリストアップします。

最低でも3日分、できたら1週間分は用意しておきましょう。
緊急時、すぐに持ち出せる場所に保管しておきましょう。


①スリング・おくるみ

赤ちゃんを抱っこして移動する際に必要です。緊急時、ベビーカーは必要ありません。
防寒に備えておくるみもセットしておきましょう。

②紙おむつ・布おむつ

布おむつカバーがあると再利用できるので便利です。中身は、ガーゼやタオルで代用できます。
ビニール袋を用いた簡易オムツの作成方法もあります。

③おしり拭き・ウエットティッシュ・トイレットペーパー

おしり拭きがなくなった際は、トイレットペーパーや濡らしたガーゼで代用できます。ウェットティッシュはアルコールが含まれていないものを選びましょう。

④タオル・ガーゼ

沐浴・入浴ができないので、代わりにタオルやガーゼで清拭をして皮膚トラブルの悪化を防ぎます。

⑤ミルク・ミルクを与える物

完全母乳の方は必要ありません(精神的ショックで母乳分泌量が減ってしまった人もいるので、心配な人は予備の準備を)。
固形・キューブ状の物が便利です。
しかし、熱湯が利用できなくなることを考慮する必要もあります。
液体ミルク(常温保存可能で、開封後そのまま飲ませることができる滅菌・調乳済みのミルク)も海外から取り寄せ可能です。

《哺乳瓶について》
被災地では哺乳瓶の洗浄・消毒が困難です。そのため使い捨て哺乳瓶があると便利です。
また東日本大震災の時には、使い捨てコップスプーンでの哺乳方法が推奨されました(カップ授乳については前回の記事をご覧下さい)。
もし哺乳瓶を使用される場合は、消毒グッズの準備も必要です。
瓶の中に入れて振るだけで消毒効果のある「フルフル哺乳瓶洗い(サンコー)」や、「固形ミルトン(キョーリン)」「つけるだけタブレット(チュチュベビー)」などがあります。消毒時に多量の水を必要としないタイプの購入をおすすめします。

⑥ミルクをあたためる物

(1)携帯用カイロで加温できる
(2)登山用の固形燃料や簡易湯沸かし器がある
(3)発熱剤の紙製の湯沸かしBOXというものがある(火や電気を使わない)
(4)自宅にカセットコンロとボンベ数本を備蓄しておくと安心

⑦水

給水車により水の確保はできますが、1人あたりの給水量が決められています。そのため震災後のアンケートでは、ライフラインの断絶による水の確保(主にトイレ)が最も困ったという結果でした。
ミルクを調乳する際にも、清潔な水が必要です。ミネラル分が多い硬水より国産の軟水のペットボトルを用意しましょう。

⑧ベビーの衣類

停電するため洗濯機が使えません。
代謝が活発で皮膚が弱い赤ちゃんは、不衛生な状態だと湿疹や皮膚トラブルが生じやすいです。
よって吸水性があってかさばらない衣類の準備をおすすめします。最低限、汗が付着する下着だけでも交換できたら良いので、上着より下着を多めに準備しておくと良いでしょう。
また冬季は低体温になりやすいので、防寒着を用意しておきましょう。

⑨ビニール袋

おむつ捨て、簡易おむつの作成、哺乳瓶の消毒時など、多岐に渡って活用できます。


以上が震災時にあると助かる育児用品です。
緊急時は動揺してパニックを起こしやすいので、普段から育児避難用具の準備やイメージトレーニングをしておくと良いでしょう。

『あの時、準備しておけばよかった』と後悔のないよう、今から震災に備えた準備をしておくと安心です。
これらは震災時の赤ちゃんの健康を守る命綱にもなります。


次回は、入院中(出産後で新生児がいる場合)に地震がおきた際の避難・対応についてお伝えします。

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