誕生死


誕生死という言葉をご存知でしょうか。

2002年、出産前後に赤ちゃんを亡くされた11人のご家族が出版された「誕生死」という本をきっかけに普及した言葉です。
たとえお腹の中で亡くなった命でも、出産後どんなに早く亡くなった命でも、私たちの子どもは、確かにこの世に誕生したのだという思いを込めた、この本(「誕生死」)のために新しく作られた造語です。」と著者の方は説明しています。



英語では、死産のことをStill birthといいます。そして死産児のことをStillborn childといい、「死してもなお生まれてきた」という意味が含まれています。
大切な我が子を誕生死で亡くしたとしても、彼らの命が母親の中に宿ったことは紛れもない事実ということがイメージできる単語です。


誕生死で我が子を喪失した悲しみは、計り知れません。
受容できなくて当たり前ですから、自責の念にかられてご自分を責めてしまう人も中にはいらっしゃいます。
よく「あの時〜〜したから」「ママのせいで」「ごめんね」というお言葉を聞きますが、「誕生死(本)」の著者は「がんばらなくていい。悲しい時泣きたい時には泣けばいい。」と言っています。ママは十分頑張ったのだから、今はもうこれ以上自分に責任を感じてがんばろうとしなくていいのです。
ママも赤ちゃんも頑張ったのだから、きっと赤ちゃんは「ごめんね」ではなくて「ありがとう」と言われたほうが嬉しいと思います。
今は無理でも、いつか「ごめんね」が「ありがとう」に変わる日が来ることを心よりお祈り申し上げます。




厚生労働省の人口動態統計によると、日本国内の妊娠経験者のうち38%が流産を経験しています。(死産は年間2〜3万人、流産は年間30〜40万人)
つまり毎日約100人のお母さんが、誕生死で赤ちゃんを失っています。

妊娠・出産・育児は当たり前のことではありません。




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