【2016年】バースプランについて


明けましておめでとうございます。



妊婦さん、そして育児中のお母様にとっては、赤ちゃんと迎える初めてのお正月ですね。
新たな年の初めを迎え、母子ともに健やかにお過ごしのことと、お慶び申し上げます。

さて、皆様はどのような新年の目標をたてましたか?

おそらく妊婦さんとそのご家族の方は妊娠・出産・育児に関する抱負を掲げている人が多いのではないでしょうか。

そこで本日はバースプランについて考えていきたいと思います。

バースプランとは?


バースプランとは、ご自分がどのような出産・育児を望んでいるのか考える作業のことです。
病院側から渡される用紙に記載したり、直接医療者と話し合ったりして、妊婦さんのニーズをスタッフも把握できるように活用されます。そしてそのニーズが施設で受け入れ可能かどうかの判断材料としても用いられます。

バースプランの書き方は?


バースプランを書き始める時期は、胎動を自覚し始める妊娠中期頃が望ましく、出産までに医療者と話し合いを重ねながら都度修正していくのが良いでしょう。
バースプランの用紙や形式は各施設で異なるため、決まりはありません。バースプランの提出を導入していない施設もあるため、その際は自分でオリジナルのバースプランを作成することでイメージの形成や新たな気づき・学びの習得につながります。
バースプランの書き方は、箇条書き・文章・質問形式など様々な書き方がありますが、決まりはないのでご自分の書きやすい方法で書きましょう。

〜バースプランの記載例〜


Q.どのような出産にしたいですか?
 立会い出産希望(←誰が?どのタイミングで?最後まで立ち会うのか? より詳細に記載すると良いと思います。)
 持参の音楽やアロマを活用したい(希望があれば遠慮せずに書いてみてください。実施不可能の場合には医療者側が教えてくれます。)

Q.医療者に望んでいることはありますか?
 無痛分娩をしたい(←状況や施設によって対応が異なります)
 できたら会陰切開をしてほしくない(←よくある記載内容ですが、状況に応じて必要と判断されたら実施されます)

Q.その他
 ビデオ撮影は可能ですか?(気になる質問事項があれば記載してください)
 足がむくんでいるのが気になる(悩みや相談の記載も問題ありません)
 前回のお産で、〜〜〜といったトラウマがある(スタッフの情報共有につながります)

バースプランの項目は?


出産のスタイル、陣痛室での過ごし方、母乳育児の希望、医療者への希望、母児同室、退院後の生活についてなどがあります。
ご自分一人で考えるのではなく、自宅に持ち帰って家族と話し合いながら情報を共有するのが良いでしょう。
担当するスタッフが入院時と出産時に目を通す用紙であり、バースプランに応じてスタッフの言動やケアの内容も変わってくる場合があります。よって遠慮せずにご自分の要望を記載してください。
状況によっては希望通りにいかない場合もありますが、その際にはその都度スタッフと共に行動修正やプランの変更をしていきましょう。

バースプランの効果は?


〜妊婦さんとご家族にとっての利点〜

・ご主人や家族と出産の方針について話し合うきっかけとなり、知識を得る機会となる
・出産に主体的に取り組むことにつながり、満足度を高めることができる
・出産施設のケアの方針を知り、不安を解消できる
・具体的に出産のイメージがもてる
・バースプランをもとに医療者側とコミュニケーションを図ることで、自分の要望を表出しやすくなる

〜医療者にとっての利点〜

・妊婦さんの出産や子育てに対する考え方を知る機会となる
・妊婦さん主体の出産を共に考えていく機会となる
・妊婦さんとそのご家族の出産・育児の準備状況を把握できる
・妊婦さんの要望が施設で対応可能範囲内か事前に確認ができる
・出産後の振り返り(バースレビュー)の材料として活用できる

バースプランの欠点は?


・バースプランが実現しなかった際、落ち込みや不信感、挫折感を感じる可能性がある
・バースプランを書いても考慮してもらえなかったと不満を感じる可能性がある

このような時は一人で抱え込まずに、医療者を交えてバースプランの振り返りができると良いですね。何故バースプランが実現できなかったのか曖昧にせず、スタッフから説明を受けることで不信感や失敗感が軽減する場合があります。


バースプランは必要?


提出が義務付けられていない場合、必ずしも必要ではありませんが、どのような出産・育児にしたいのかイメージして考えることは主体的に産み・育てることにつながります。

是非、2016年という新しい年明けと共に、バースプランについても考えてみてはいかがでしょうか。
先のことをより具体的に考えていくことで、今は何が大切で、何の準備をしたら良いのかみえてくると思います。


2016年も皆様と赤ちゃんにとって、幸多き一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。


平成28年 元旦
東京マタニティスクール
港助産院 城野


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