季節はめぐり・・・(卒乳・断乳)


木々の葉が鮮やかに紅葉しはじめ、秋も一段と深くなってまいりました。


今年も残すところあと2ヶ月をきりました。
当院も2015年に開業して早1年が経ちました。

開業したての頃に出会ったお客様の赤ちゃんも、現在約1歳です。
成長のはやさは違えど、同じ年月を共に重ねていると思うと感慨深いです。

母乳外来のご相談が最も多い時期は、生後0〜2ヶ月。
この時期は母乳トラブルが多く、母乳育児に悩まれるお母様がとても多いです。
しかし生後3〜4ヶ月頃には母乳育児が軌道にのりはじめ、5〜6ヶ月には離乳食も始まるため、自然とお会いしなくなる人が多いです。

しかしここ最近、その当時のお客様たちに数ヶ月ぶりに再会する機会が増えてきました。
当時小さかった赤ちゃんが成長し、母乳を卒業する日がきたからです。

母乳を卒業するタイミングのことを、「断乳」「卒乳」といいますが、ここ最近はほぼ毎日、断乳・卒乳のケアに伺っております。

数ヶ月ぶりに伺うご自宅の前に来ると、前回お会いした時の情景が鮮明に蘇ります。
数ヶ月前〜1年前にお会いした時・・
当時はまだ退院してまもない時期なので、我が子の反応に戸惑いながらぎこちなく授乳をされている方がほとんどでした。
「不安・心配です。」「わかりません。」「困っています。」と、多くの新米ママが当初は日々悩み、試行錯誤しながら我が子と向き合っていました。
中には涙を流されるお母様も沢山いらっしゃいました。

それが数ヶ月経ってからお会いすると、当時の不安そうな顔はもうどこにもありません。

「私が抱っこしないと泣き止まないんですよ。」
「私以外の人には人見知りをするようになりました。」

たった数ヶ月の間で、赤ちゃんは疾風のごとく急発達・急成長を遂げますが、母親も同様に「プロ顔負けの唯一無二の母親」になっています。

“親としての自信”
女性は、守るべきものができたとき、強く逞しくなっていくのでしょうか。


また子育ては “与えること” の連続です。
見返りを求めずに、1日に何十回もオムツ交換や抱っこ、母乳を与えます。
特に1日の大半の時間を占めるのが、「母乳育児・ミルクの時間」です。
赤ちゃんは母乳を昼夜問わず頻繁に欲しがるため、母親は終始寝不足です。
更に、母乳育児にはトラブルや悩みがつきものです。
故に「いつまで母乳が続くのですか?」という質問をよくお受けします。

母乳を卒業するタイミングは個人差がありますが、確実に母乳育児が終わる日はやってきます。
そしていざ卒乳・断乳の日がくると、多くの方が「このタイミングで終えて良かったのかな?」「少しさみしいです。」とおっしゃいます。

個人的には、「いつ断乳・卒乳したか」という時期的な問題よりも、期間に関係なくここまで頑張って育ててきたご自身を認め、褒めてあげてほしいです。
母乳なのか、ミルクなのか、断乳なのか、卒乳なのか・・という表面的なことで子育ては評価できません。
一番大切なのは、子どもの健康と母親の笑顔だと個人的には思っています。


断乳ケアは大体3回で終了するのですが、3回目のケアを終えて最後のドアを閉めたあと、私は毎回 尊敬の念がじわじわと湧いてきます。

今まで本当にお疲れさまでした。
出会った当初の皆様の悩みや苦労、努力や頑張りを知っているからこそ心からそう思います。

皆様の断乳・卒乳の日まで引き続きお手伝いできたら幸甚です。

さわやかな秋晴れの下、実り多き豊かな秋を満喫されますことをお祈り申し上げます。


東京マタニティスクール
港助産院 城野

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2015年ありがとうございました。

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