蝉時雨〜暑中見舞い申し上げます〜


*2018年7月*

気がついたら梅雨も明け、蝉時雨がにぎやかに降り注ぐ季節となりました。
久しぶりのブログです。

先日、産後ケア訪問に行く道すがら、広尾で一頭の蝉を見かけました。


↑この蝉は自ら鳴き声を発していたので、オス蝉でしょう。
彼はメス蝉に自分の居場所を気づいてもらえるよう懸命に鳴き続けていました。
(※メス蝉は鳴きません。)
蝉のオスは大きな声で鳴かないとメスに気づいてもらえないという宿命をもつため、蝉にとっての子孫繁栄の綱は「鳴き声」です。

そんな蝉の集きに耳を澄ましていると、せみ捕りに興じていた幼少期の夏の記憶が蘇りました。
子どもの頃の私は、虫かごをぶらさげた弟と共に、公園や神社で虫取り網をよく振り回していました。
家族から「虫たちの先生」と呼ばれていた昆虫少女は、少し前に流行ったポケモンGOのような感覚で色々な昆虫をゲットしては親を困らせていました。

そんな昆虫少女も今や、昆虫に触ることができない大人になってしまいました・・が、蝉の鳴き声は今でも大好きです。

よく「音と記憶には結びつきがある」といわれていますが、人の脳は音を聴くことで海馬(記憶を司る部位)が刺激されます。
また好きな曲や良い思い出に関連する音楽を聴くだけで、「セロトニン」という精神安定のホルモンが分泌されます。

毎夏、蝉の声を聴く度に「なんだか懐かしい感じ(風流)」を抱くのですが、それは海馬が刺激されて無意識下に過去の夏の記憶を想起していたからなのでしょう。

昆虫捕りやプール遊び、キャンプ、バーベキュー、自由研究、スイカ割り・・等。

子どもの頃、永遠に続くと思って駆け回っていた夏休みはもう二度と戻ってきませんが、今度は子どもたちに「夏」の楽しさを沢山伝えていきたいと思っています。
そこで早速、来る8月6〜9日に、年長さんと小学校1年生の子どもたち複数名と共に山梨でキャンプをしてきます(山梨幼児野外教育研究会)。
学生時代は毎年スタッフとして参加していた思い入れのある野外活動です。

その期間、港助産院も夏季休業となるためご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解の程お願い致します。


蝉の一生は、青空をみてから数週間で終わります。
その期間は平均1〜2週間。
短命である蝉の声は刹那的でもあり、「始まり(生命力)」と「終わり(死)」の2つの意味が宿されているようにも感じます。

子どもたちにとっての夏休みも、二度と戻らない夏休みです。
皆様のお子様の笑い声が、蝉の声にも勝る賑やかな夏休みになることを願っております。
そして子どもたちが将来大人になった時に想起する「夏の思い出」が、蝉時雨と共に良い情景でありますように。


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