本日7歳になられたお子様たちへ。

東日本大震災の最中、
産声をあげながら生まれてきてくれたお子様たちは、本日7歳のお誕生日ですね。

君たちが出生する前は、
十月十日(トツキトウカ)という歳月を母の胎内で過ごしてきました。


母親の胎内は、光が一切遮断された漆黒の空間ですが、そんな暗闇の中で皆様は胎児期を過ごしてきました。
そして7年前のあの日、狭くて暗い産道を通りぬけながら生まれてきてくれました。

出生直後の赤ん坊の多くは、初めてあびる光に対して眩しそうに目を細めます。


十月十日(トツキトウカ)という長い年月を暗闇の中で過ごしてきたのだから、慣れない光に眩しさを感じるのは自然な反応です。

実は、十月十日(トツキトウカ)という漢字を繋げると
」という一文字になります。

君たちが初めて迎えた朝のことはもう覚えていないと思いますが、慣れない外の世界は光眩しくて、とても怖かったと思います。

実はあの日、
多くの大人たちも同様に、震災で光を失った闇の中で「朝」を迎える恐怖を抱いていました。
二度と朝を迎えられなくなった人も沢山います。

日本の「夜」は、震災によってこんなにも暗くなっていたのです(↓写真)。


あれから7年。
日本では以前のように、夜でも電灯が灯り続けるほどに震災復興が進んできました。
皆様ももう7歳ですから、さすがに光にも慣れて、明るい太陽光の下で元気に走り回っていることでしょう。

この7年間。多くの大人たちが、君たち子どもを守るために、暗くなった被災地に光を取り戻そうと必死でした。
そして同時に、生命力溢れる子どもたちの存在は、大人たちにとっての光でもありました。

木の幹が育つためには、葉の存在(光合成)が必要不可欠であるように、
誰かの光になれるような、そんな大人になってほしいと願っております。


こちらの動画は、「震災を乗り越えて宮城に再び光が戻りつつある」というメッセージを伝えるべく宮城県が作成したものです。
活気を取り戻しつつある宮城に溢れる「光」には、人や自然がもつ生命力の強さが伝わってきます。


港助産院
城野
http://www.minato-josan.jp

〜関連記事〜
玉眞院の暗闇を歩いて感じたこと
震災時、赤ちゃんはどうなる?
お産に大切な4要素について
春に思うこと

東京マタニティスクール