(水天宮の新社殿)戌の日
人の一生には様々な行事があります。
本日、戌(イヌ)の日。
戌の日とは12日に1度めぐってくる干支の11番目の日です。
妊婦さんは妊娠5ヶ月になると、この戌の日に腹帯を巻いて安産祈願をするという通過儀礼があります。
この日本独自の風習は平安時代から続いており、古事記にも記述されています。
そもそもなぜ安産祈願をする日が「戌の日」なのかというと・・
①犬(戌)のお産が多産・安産であることのあやかり
②犬には魔除けや狐狸から守る力があるという言い伝え
といった背景があります。
また、妊娠5ヶ月を過ぎた妊婦さんが初めて迎える「戌の日」に腹帯を巻くことを、「帯祝い」とも言います。
腹帯とはその名の通り「お腹に帯を巻くこと」ですが、別名「岩田帯」とも呼ばれており、これは「岩のように丈夫な赤ちゃんが育つように」という願いが込められています。
妊娠5ヶ月という節目に、ここまで無事に過ごしてこられたことに感謝し、今後の安泰の御祈祷を受けることで、改めて「親であること」を実感する妊婦さんも多いのではないでしょうか。
また、妊婦さんが腹帯を巻くメリットは以下の通りです。
1.増大した下腹部(子宮)の支え
2.冷え予防
3.外部刺激を守る
4.逆子予防(言い伝え)
安産祈願神社は全国各地に点在していますが、東京都の代表的な安産祈願神社といえば「水天宮(日本橋)」と「子安神社(八王子)」でしょうか。
私も学生の頃から、実習で関わっていた妊婦さんの安産祈願の為に、水天宮には何度か足を運んでおりました。
東京都中央区日本橋蛎殻町にある「水天宮」は安産祈願・子授けのご利益があることで有名で、休日や戌の日には多くの妊婦さんや家族連れで賑わっています。
2018年に江戸鎮座200周年をむかえる水天宮は、2013年3月から約4年間、社殿と社務所を改築工事中でした。
そのため改築中の4年間は、日本橋浜町に「仮宮」が設置されており、名物の「子宝いぬ(安産のご利益があるとされる犬像)」もロイヤルパークホテルのロビーに仮移動していました。
そしてこのリニューアル期間中に水天宮を訪れた多くの妊婦さんが、「仮宮」と「ロイヤルパークホテル」を「子宝丸」というバスで移動していたと思います。
「いつ新社殿が完成するのか・・」「完成後、このバスはもうなくなってしまうのか・・」と多くの人が思っていたことでしょう。
なんと!!
今年ついに水天宮の新社殿が完成し、2016年4月8日より新社殿での一般参拝が開始されます。もちろん「子宝いぬ」も新社殿でお目見えとなります。
戌の日に安産祈願をするという慣わしは、時代を超えて受け継がれてきました。
4月8日から新たに始まる水天宮の歴史にも、我が子を想う多くの親の祈願が刻まれ、次世代に紡がれていくことでしょう。
引き続き、未来を担う多くのお子様が健やかに生まれ育ちますよう、母子とものご健康を心よりご祈念申し上げます。
次回は、水天宮にあるマタニティ用品店のご紹介をします。
〜関連記事〜
・(初節句)3月3日桃の節句
・近年のマタニティ・ベビー用品店について
・震災時、赤ちゃんに必要な避難用具
・玉川大師の暗闇を歩いて感じたこと
・人が生まれたら一番最初に提出するもの
東京マタニティスクール
港助産院 城野