妊婦さんがインフルエンザに罹ったら?(12月10日マタニティ教室)
街中は早くもクリスマスのイルミネーションが華やかとなりました。
葉が落ちて裸木になりつつあるイチョウ並木も綺麗にライトアップされ、冬の到来を暖かく彩ってくれています。
この時期の樹木は休眠モードになりますが、冬芽は春に芽をだすための準備を着々と育んでいます。
寒い冬の間にしっかりと開花に向けた準備をしているからこそ、春には立派な花を咲させることができます。
お腹の中にいる赤ちゃんも、妊婦さんのお腹の中で生きるための準備を着々としています。これからママ・パパになる皆様も、赤ちゃんを迎え入れる準備や勉強を共にすすめていきましょう。
本日12月10日は、そのような準備にとりかかり始めている妊婦さんとご主人が、東京マタニティスクールにおいでくださいました。
皆様とても勉強熱心で頼もしかったです。
手技、バッチリです!
皆様がお帰りになる頃の外はもう暗く、冷たい北風が強く吹いておりました。
寒い中、ご足労いただきありがとうございました。
中には体調を崩して本日来れなかった妊婦さんも複数名いらっしゃいました。
時節柄、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎とインフルエンザの感染者が急増しています。
特に免疫力の低下している妊婦さんは、罹患率が高く重症化しやすいためお気をつけください。
〜以下、インフルエンザの話〜
妊婦さんがインフルエンザに罹患した場合、肺炎が悪化して入院するリスクが高まるとされています。
(※特に心疾患、肺疾患、糖尿病、腎臓病の妊婦さんは合併症の危険性が高いです。)
感染時の重症化を防ぐのに最も効果的なのが、インフルエンザワクチンです。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンのため、妊婦さんでも接種することができますし、胎児への悪影響も統計上指摘されていません(Annals of internal medicine)。
また妊娠中に母親が予防接種を受けておくと、生まれてきた赤ちゃんが半年以内にインフルエンザに感染するリスクが約70%以上減るという統計データもあります(Pediatrics,米小児科医学誌)。
万が一、妊婦さんがインフルエンザに罹患した際も、重症化を防ぐために抗インフルエンザウイルス薬が推奨されています。
この際、抗インフルエンザウイルス薬は、症状発症後から約48時間以内でないと効果がないので注意が必要です。
また最近の研究では、インフルエンザワクチンは「朝に打ったほうが抗体が増える」という統計データも報告されています(Vaccine,バーミンガム大学)。
この時期は特に人混みを避け、手洗いを習慣化しましょう。そして質の良い睡眠とバランスの良い食生活を心がけ、日頃から免疫機能を高めておきましょう。
明日は、今年最後の東京マタニティスクールです。
師走らしい寒さが続いておりますので、どうぞ体調を崩さぬようお気をつけください。
港助産院 城野
〜関連記事〜
・梅の花