寒さもゆるみ、早春の息吹を感じる季節となりました。 本日3月20日は 春分の日 。 お彼岸のお墓参りの時期でもあります。 お仕事の移動で 青山霊園 を毎日通過しているのですが、本日はお墓参りに訪れ故人を偲んでいる多くの人の姿をみかけました。 ここ青山霊園は、歴史上の偉人のお墓が沢山あることで有名で、春には立派な桜並木のトンネルが道を覆います。 都内には多くの花見スポットがありますが、個人的にはここ青山霊園の桜並木が一番好きかもしれません。 華やかに咲いてしとやかに散っていく桜の姿は、「儚さ」や「潔さ」を連想しますが、これは人の一生にも通ずるものを感じます。 花は必ず散るときがくるように、人にも必ず「別れ」や「死」と対峙しなければならない時がきます。 だからこそ青山霊園の桜と霊園に眠る故人のお墓が重なり合っている風景を目にする度に、「 諸行無常 (すべての物事は移り変わりゆくもの)」を感じます。 諸行無常を表す桜の歌が古くから詠われてきたように、桜は日本人の心をとらえて古代から愛され続けてきました。 「 散りぬべき とき知りてこそ 世の中の 花は花なれ 人は人なれ (細川ガラシャ) 」 「 散る桜 残るも桜 散る桜 (良寛和尚) 」 「 願わくば 花の下にて 春死なむ (西行) 」 また日本文学史上の傑作といわれている" いろは歌 "は、 「 色は匂えど散りぬるを(いろはにほへとちりぬるを) 」という一節から始まります。 これは、「 美しい花もやがて散ってしまうように、今生きている誰もがいつかは死んでしまう。 」という意味が込められています。 本日春分の日は、祝日法第2条では「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことを趣旨としています。 太平洋戦争終戦後から3年目に制定された祝日です。 先祖を敬い、故人を偲ぶことは、いまある自然をたたえ、生物をいつくしむことにも繋がります。 私個人としては、3.11の東日本大震災で尊い命を奪われた方々に想いを馳せました。 あの日から6年もの月日が経過したのですね・・・。 桜の花言葉は沢山ありますが、なかでもフランスの桜の花言葉でもある「 Ne m'oubliez pas(私を忘れないで) 」という言葉をふと思い出した春分の日でした。