断乳の方法!トラブルのない断乳ケア"3つのステップ"

当院では卒乳・断乳ケアのご依頼・ご相談を数多くお受けしています。

母乳を離れていくことを「断乳」「卒乳」といいますが、いつかは必ず母乳を卒業する日がきます。

インターネット上で「卒乳」「断乳」と検索すると、様々な断乳方法がヒットしますが、なかには間違った情報(古い情報)も混ざっているため、困惑している人も多いのではないでしょうか。
まず、「断乳」と「卒乳」では言葉の定義と方法が異なります。
自然に母乳を飲まなくなっていくことを「卒乳」といい、諸事情で母乳をやめていくことを「断乳」といいます。(※詳細は→こちら
そして自己判断での急な「断乳」は、乳房トラブルを引き起こす要因になる可能性もあります。
以前、自己流の判断や方法で断乳を行った結果、乳腺炎が悪化して手術(胸の切開)を受けたという方もいらっしゃいました。

では母子ともに負担の少ない方法で断乳ケアを行うためには、どのような方法で進めていったら良いのでしょうか。

本日は、安全でトラブルの少ない断乳の方法や注意点について、簡単にお伝え致します。
諸事情で急に断乳をする必要になった人は、是非ご参考にしてください。
(以下、断乳の方法です。あくまでも下記の方法は一例なので、断乳の方法や期間には個人差があります。卒乳に関してはHPをご覧ください。)




断乳の方法と注意点


〜目次〜

1. 乳汁産生抑制因子について
2. 断乳を決めたらどうするのか
3. 初回の断乳ケア(A)
4. 2回目の断乳ケア(B)
5. 3回目の断乳ケア(C)
6.  港助産院の断乳ケアの特徴


1. 乳汁産生抑制因子について

母乳がうっ滞した状態のことを「うつ乳」といいます。
うつ乳により胸を緊満(胸全体が重くなり、硬く張る状態に)させることにより、乳汁産生抑制因子(FIL)が生成され、母乳の産生量が徐々に減っていきます。
この「FIL」を利用して母乳分泌を止めていく方法を、断乳といいます。

2. 断乳を決めたらどうするのか

断乳を決めたら、一度乳房内の乳汁を絞りきります。
その後は極力乳房を触らずに「うつ乳」の状態をつくります。
この際、胸が張って痛いのに我慢をして放置しすぎると、うっ滞性乳腺炎などのトラブルにつながってしまうので、辛くなったら適宜軽く排乳しても問題ありません
しかし絞りすぎてしまうと乳汁が産生されて胸の緊満が悪化するので、絞りすぎないようにする必要があります。
目安としては、胸が少し軽くなり痛みが和らぐ程度です。

このように適宜軽く排乳をしながら、2〜3日ほど「うつ乳」の状態で過ごします。
胸が熱をもって痛いときは、水で濡らしたタオルやガーゼを胸にあてて軽く冷やしてください。
この際、氷やアイスノンなどで冷やしすぎてしまうと逆に胸が熱をもってしまうので、心地よい程度に冷やすのがポイントです。

そして断乳後、2〜3日目に胸の緊満と痛みがピークを迎えるので、その際に断乳ケア(A)を行います。

3. 初回の断乳ケア(A)

断乳初日を1日目とし、2〜3日目に断乳ケア(排乳)を行います。
排乳する際に、乳首に刺激を与えると乳汁分泌が促進するため、乳首には極力触れずに乳輪周りを自分に向かって押すように一定の圧をくわえます。
指圧の強さが強すぎると乳腺を傷つけてしまうので、力をいれすぎないようにしてください。
胸の緊満が和らぎ、痛みやしこりが取り除かれた状態になったら、排乳を終えます。
ご自分でできない場合は、専門者にご相談ください。

4. 2回目の断乳ケア(B)

初回の断乳ケア(A)の後、再び7〜10日程「うつ乳」の状態を維持します。
乳汁産生が減っている状態なので、最初の3日間に比べて胸は緊満しなくなります。
痛みも最初の頃より楽になっているため、排乳をしなくてもさほど気にならなくなります。
そして初回の断乳ケア(A)から7〜10日目に2回目の断乳ケア(B)を行います。
排乳方法は(A)と同じです。
断乳ケア(B)の終了時にはしこりや痛みがほとんどなくなり、胸のサイズもひとまわり小さくなっています。
乳汁分泌もほとんどでておらず、乳房トラブルもない状態になっていれば、以後は経過観察で大丈夫です。
しかしほとんどの人がまだ乳汁分泌が続いているため、更に1ヶ月後に断乳ケア(C)を行います。

5. 3回目の断乳ケア(C)

断乳ケア(B)終了後、更に1ヶ月後に最終確認(C)を行います。
乳汁分泌状態やしこりの最終確認を行い、乳房内の残乳を絞りきります。
胸は妊娠前のサイズに戻り、指で乳輪や乳首を圧しても乳汁が分泌されない状態になります。

以上が断乳の方法(A~C)です。
あくまでも一例なので、断乳ケアの方法や間隔(期間)には個人差があります。

6. 当院の断乳ケアの特徴

今まで数百人の断乳ケアをさせていただきましたが、月齢問わずにどんなに分泌の多い方でも計2〜4回の断乳ケア(1ヶ月前後)で、断乳はトラブルなく終了しました。
母乳をとめる薬を飲まなくても、断乳することは可能です。

当院では直接ご自宅に訪問して断乳ケアを行っております。
赤ちゃんを預けられない方や、外出するのが難しい方でも安心して断乳ケアをお受けできます。

直接お胸の状態を拝見しながら、個々の状態に合ったケアをご提案しますので、断乳ケアでお困りの方はお気軽にご相談ください。

【当院の断乳ケアの特徴・ご予約】
http://www.minato-josan.jp/breastfeeding1.html

【断乳・卒乳ケアでよくある質問内容】
http://www.minato-josan.jp/breastfeeding2.html

【断乳ケア出張可能地域】
東京都 港区・渋谷区・目黒区・品川区
(※要相談 中央区・世田谷区・新宿区・杉並区)

港助産院
[電話] 03-6868-4649
[メール]forbaby@minato-josan.jp
minato.josan@gmail.com


《参考文献》
母乳育児支援業務基準「乳腺炎」2015,日本助産師会
母乳育児支援スタンダード,NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会
母乳育児支援アンサーブック,ペリネイタルケア
助産師業務要覧,日本看護協会

東京マタニティスクール